はじめに
当記事は「グノーシア」の感想・紹介記事になります。
ゲームの内容に関して極力ネタバレは避けますが、多少内容に触れている部分がありますので前情報なしでゲームをプレイしたい方はご注意ください。
総評
本作品は「汝は人狼なりや?」で有名な人狼ゲームと、ループする度にシナリオに変化が出てくるループ物が掛け合わされた作品です。ループする度にどんどん謎が明かれていき、最初の段階では「???」となっていたキャラクターの行動も全て繋がっていきます。同系統作品の「STEINS;GATE」が好きだった筆者は非常に楽しめました…!
目玉の人狼ゲームシステムの秀逸で、序盤の慣れない間は人狼を当てるのに苦労しましたが、慣れてくるとしっかり人狼を予測・推理した上でゲームを進められるようになっています。また、システムの都合上どうしてもゲームオーバーになる数が多くなってしまうのですが、システム側でサクサク進められるように工夫されてる点もGOOD。
総じて、非常に楽しめるゲームだと思います。ミステリーのような「考えながら物語を進める」タイプの作品が好きな方、ループ物の伏線回収が好きな方に是非おススメです。また、「人狼ゲームやってみたいけど相手がいなくて…」みたいな人もおススメです!(筆者はそうでした…)
作品情報
グノーシアはゲーム制作サークル・プチデポットにて開発された「SF人狼系シミュレーションアドベンチャー」です。2019年6月20日にVita版が発売し、2020年4月30日にNintendo switch版に移植され、2022年1月23日にはsteam版がリリースされています。
移植されるにつれてグラフィックやサウンドが強化されていますので、基本的には発売日の新しい物を購入すれば問題ないと思います。
あらすじ
グノーシアは嘘をつく。人間のふりをして近づき、だまし、そして身近な人間を一人ずつ、この宇宙から葬り去る――。
漂流する宇宙船内にて、人間を襲う未知の敵「グノーシア」に直面した乗員達は、誰が敵なのか分からない状況でこの危機を収束させるために、一つの解決策を試みる。 最も疑わしい人物から一人ずつコールドスリープさせ、船内に紛れ込んだ全てのグノーシアを活動停止させるのだ。
しかし、その人物が本当にグノーシアだったのか、あるいはスケープゴートにされた哀れな人間だったのか、知ることは難しい。最後に笑うのは人間なのか、それとも――?
引用: 公式サイト
要約すると…
- 漂流する宇宙船に「グノーシア」という生命体が乗り込んでくる
- グノーシアは人間に化けており、毎晩1人ずつ船員を消していってしまう…
- グノーシアを割り出すため、船員は最も疑わしい人物を議論で決定し、1人ずつ活動停止させる…。
このような内容です。「グノーシア」が所謂人狼で、グノーシアを割り出すために船員で議論して1人ずつコールドスリープさせていくというゲームです。人狼村ではなく、部隊が宇宙船になったまさに宇宙版人狼ゲーム。
人狼ゲームシステム
本作の目玉とも言える人狼ゲームシステムについてざっくり紹介したいと思います。基本的な流れは以下のようになっています。
- 船員で誰が怪しい or 怪しくないかを議論
- 誰をコールドスリープするかを投票
- 夜になり、グノーシアが船員を襲う
- 朝になり、また議論を開始する(1に戻る)
順を追って紹介します。
船員で誰が怪しい or 怪しくないかを議論
人狼ゲームシステムにおける議論は基本的に「発言をする」か「様子を見る」の2つの行動を取る事で進行します。「発言をする」では、乗組員を疑ったり、逆に庇ったり等の行動を取る事ができます。
ゲーム開始初期では「疑う」か「かばう」の2通りしかありませんが、物語が進むにつれて段々と増えていきます。
「様子を見る」を選ぶと、各キャラクターが「疑う」や「庇う」等の行動を取ってきます。ここでの疑いの矛先や、誰を庇ったかがグノーシアを割り出すのに必要な情報になってくるので、しっかりと見ておきましょう。
他キャラクターの疑いに「反論」をしたり、逆に同調したりすることもできます。
自分から「発言する」を選択して疑ったり、庇ったりする場合は対象の相手を指定する事で、行動を起こすことができます。
1回行動を取る毎に1ターンが進み、合計で5ターンが経過すると誰がグノーシアかの投票に移ります。
誰をコールドスリープするかを投票
投票に移ると、最も疑わしいキャラクターに投票して誰をコールドスリープするかを決定します。これまでの議論の中で最も怪しいと感じたキャラクターに投票をしましょう。
コールドスリープになったキャラクターは今後そのゲームで登場する事は無くなります。
夜になり、グノーシアが船員を襲う
こうして昼の議論が終わると夜になり、今度はグノーシア側が行動を開始します。グノーシアは毎晩船員を1人襲い、消滅させてきます。ここで消滅させられた船員も同じゲームではそれ以降登場しなくなります。
朝になり、また議論を開始する
以上一連の流れで1日が終わり、翌日になります。これで最初に戻ります。これをグノーシア側か人間側が勝利条件を達成するまで繰り返す流れです。人間側の勝利条件は「全グノーシアをコールドスリープする事」、グノーシア側の勝利条件は「グノーシアの数よりも人間を少なくする事」になります。
途中で主人公が投票されるかグノーシアに襲われる場合もあります。その場合はその時点でゲームオーバーとなります。
最初のうちは生き残る事自体が難しいこのシステムですが、慣れてくると誰がグノーシアなのかがわかるようになってきます。また、本作品は議論を終了すると経験値が貰え、ステータスを割り振りして議論を有利に進められるようにもなります。そこまで身構えなくても楽しむことができますよ!
良かった点
快適なゲームシステム
先ほど紹介した通り、このゲームは人狼ゲームシステムがメインになっていますが、途中で主人公が襲われる or コールドスリープした場合は容赦なくその時点でゲームオーバーになります。これを聞いて「うわっ…大変そうだな…」と感じるかもしれませんが、決してそんな事はありません。
本作品は「ループ物」の作品とされており、ゲームオーバーになってもすぐに次のループが始まります。ですので、途中でゲームオーバーになったとしてもサクサク次に進めます。本作は所謂「死にゲー」の要素も兼ね備えてると言えます。
仮に上記の人狼ゲームシステムの流れをクリア or ゲームオーバーまで1週やったとして、1週15分~20分程度に収まるように設計されているので、気軽にゲームを進めることができます。
総じて、非常に快適なゲームシステムだったと感じました!
魅力的なキャラクター達
ゲームシステムの話ばかりしてきましたが、このゲームはキャラクターが本当にみんな魅力的です。このゲームには総勢で14人のキャラクター登場しますが、どのキャラクターにもしっかりとしたバックグラウンドが用意されており、話が進むごとに情報が解禁されていきます。
中には物語の根幹部分に関わるような情報もあります。ここで公開された情報で「初登場の時から印象が180度変わったキャラクター」も出てきます。物語その物の考察もそうですが、キャラクター1人1人について考えながらプレイすると非常に楽しめると思います!
気になった点
イベントの途中でもゲームオーバーになってしまう点
このゲームでは議論中でもイベントが発生しますが、その途中でも容赦なくグノーシアが襲ってきたりコールドスリープさせられたりでゲームオーバーになってしまいます。これはまだシステムに慣れていない状態だと起きがちだと思うのですが、その時点でイベントが中断されてしまう事がたまにあります。
もちろん重要なイベントなら再度ゲームを始めれば同じイベントをやり直せる等の救済措置はありますが、イベントによってはそのまま中断になります。物によっては一度やらかすと取り返しのきかない収集要素もあるので、ここはもう少し進めやすいようにして欲しかったかなと思いました。
おわりに
人狼ゲームとループ物という最高に知的好奇心が擽られるテーマが組み合わされた本作ですが、それに加えてキャラクターやシステム、シナリオも非常に魅力的でとても楽しめる作品でした。
まだ未プレイの方はなるべく前情報なしで是非プレイをおススメします。人狼ゲームシステムで中々勝てない場合は攻略を見ると良いかもですが(筆者は序盤ゲームオーバーになりすぎて攻略見ました…)