はじめに
当記事は「ANONYMOUS;CODE」のプレイ感想・紹介記事になります。
科学アドベンチャーシリーズの最新作である本作ですが、筆者は同シリーズの「CHAOS;HEAD」と「CHAOS;CHILD」の大ファンでした、本作品も楽しみにしており、今回プレイさせていただきました。
ゲームの内容に関して極力ネタバレは避けますが、紹介をするために内容に多少に触れている部分がありますので前情報なしでゲームをプレイしたい方はご注意ください。
総評
ストーリーやキャラクターはかなり良い。シナリオのボリューム不足が致命的。
結論から言うと、はっきり言って本作品は名作と言えるほど出来は良くなかったと思いました。
理由としては、ストーリーのボリュームが歴代作品と比較してもとにかく少ないからです。過去の科学ADVシリーズの通例では、「ノーマルエンド→各キャラクターの個別ルート→トゥルーエンド」という流れになるのですが、本作品には個別ルートがありません。更に、本筋のストーリーだけを見てもかなり短めです。
これが原因で、キャラクターの掘り下げがうまく行っておらず、キャラクターの印象付けがかなり薄いです。科学アドベンチャーはかなり個性的で印象強いキャラクターが多いイメージですが、本作品においてはそうではなかったです。良いキャラクターが沢山いたのに本当に勿体ない…。
ストーリーの展開について見てみると、序盤は本当に面白かったです。序盤からテンポ良く話が進み、展開としては飽きることなく楽しむ事ができました。本作の目玉である「セーブ&ロード」も非常に面白いシステムで、話にマッチしていたと思います。ただ、終盤はボリューム不足が気になってしまい、失速してしまったという印象です。
ボリューム不足が致命傷になってしまい、色々と惜しかった作品だったと思います。ただ、話の展開は面白かったですので、科学アドベンチャーのファンの方はそれでもある程度は楽しめると思います。
DLCでも良いので追加シナリオを出してください!お願いします!!!!
作品情報
「ANONYMOUS;CODE」はMAGES.より発売されたアドベンチャーゲームです。ジャンルは「メタ科学アドベンチャー」です。
発売日は2022年7月28日で、対応ハードはNintendo Switch、 PlayStation 4になります。筆者はNintendo Switch版を購入しました。
希望小売価格は7,700円(税込)となっております。プレイ時間は8時間ほどでクリアまで到達できました。
あらすじ
部隊は2037年東京都、中野。
2037年、東京・中野。2036年2月6日に発生した世界的大災害「サッド・モーニング」による被害を免れたこの地で、主人公・高岡歩論(ポロン)は、親友の弓川十字(クロス)とともに、ハッキングの仕事をこなして生活を送っていた。
そんなある日、些細な言い訳から相手不在の「駆け落ち」を宣言したポロンは誰も居ないはずの待ち合わせ場所で謎の少女“モモ”と出会う。
直後、モモを追って現れる謎の襲撃者たち。
逃走劇の最中、ポロンはまるでゲームのように時を記録しやり直すことが出来る「セーブ&ロード」アプリを入手し窮地を脱することに成功するが、それは更なる事件の幕開けに過ぎなかった……
解決不能事件「クエスト」を次々と仕掛ける謎の天才ハッカー「Cicada3301」。凍結されたはずの地球シミュレータを復活させた「垓機関」。そして影で暗躍するバチカン「513聖務室」の刺客たち。
ポロンはモモとの出会いをきっかけに様々な思惑に巻き込まれ、世界を揺るがす大事件に立ち向かうことになる。
ハッキング、そして「セーブ&ロード」を駆使して立ち向かった先に待ち受ける真実とは?
無数に分岐する現実を「ハッキング」し、世界を救う結末を“ロード”せよ!
これは、未来を書き換える“ハッカー”たちの物語。
引用: 公式サイト
ANONYMOUS;CODEは、ハッカーである主人公・高岡歩論の物語です。
部隊は2037年の東京。主人公であるポロンは、日々ハッキングで生計を立てていました。
ある日、ひょんなことで謎の少女”モモ”と出会います。直後にモモを追いかけてきた謎の襲撃者に襲われます。逃走中にポロンはゲームのように時を記録しやり直すことが出来る「セーブ&ロード」を使えるようになります。
この能力で窮地を乗り越えたポロンですが、ここから更なる陰謀に巻き込まれていきます…。
良かった点
「セーブ&ロード」による攻略がおもしろい
本作の目玉システムに「ハッキングトリガー」があります。主人公は「セーブ&ロード」という特殊能力を使えるのですが、プレイヤー側から主人公に対して「今ここでロードしろ!」といった形で主人公にロードを促す事ができます。
ここで適切なタイミングでロードを促すことができれば、主人公はセーブデータをロードして物語が分岐する、という流れです。例えば、主人公がピンチの時にこれを使えば主人公のピンチを回避できるって感じです。
本作ではこのハッキングトリガーを使って物語を進めていきます。適切なタイミングでハッキングトリガーを起動できなければバッドエンドという形です、このシステムの都合上、本作品にはバッドエンドが多く用意されています。
このハッキングトリガーを使った攻略が非常に面白く、ループ物作品が好きな方はハマると思います。
気になった点
とにかくボリューム不足
冒頭にも書きましたが、これが本当に致命的です。ボリューム不足が原因で様々な弊害を起こしています。
まず、ボリューム不足最大の原因となっているのが、歴代作品には存在していた各キャラクターの個別ルートが存在していないからです。これにより、せっかく魅力的なキャラクターが沢山いるのにキャラクターの魅力が半減しています。科学ADVと言えば、かなり濃いキャラクターが多いイメージですが、本作はあまりキャラクターについては濃いという印象はありません…。
また、最も致命的なのが説明されずに終わってしまった要素や伏線が存在する事です。これはプレイヤーの解釈に委ねるという事なのかもしれませんが、それにしても説明不足が過ぎるかと思います。せっかくの面白い設定もボリューム不足が原因で活かしきれていなかったと思います…。
追加要素でストーリーが追加されるのか、それともファンディスクが今後発売されるのか…。もしも何か追加シナリオがあるのであれば今後に期待したい所です…。
先の展開が何となく読めてしまう
科学ADVの特徴としては、その独特な世界観で展開される先の見えないストーリーだと思います。世界観が中々他の作品には見られない物になっており、最初から最後まで展開が見えないのが通例になっています。
ただ、本作についてはちょっと展開がわかりやすかったかなと思いました。最後の最後にどんでん返しがあるのかな~と期待していましたが、「あ、やっぱりそういう展開なんだ…。」と言った感想を抱きました。歴代作品と比べてしまうと、最後の展開はちょっと見劣りすると思ってしまいました。
補足しておくと、話が決してつまらないという訳ではありませんでした。ちゃんと盛り上がるところは盛り上がりますし、続きが気になってずっとぶっ通しでプレイしていた部分もちゃんとあります。
おわりに
以上が「ANONYMOUS;CODE」の紹介記事になります。
何かしらの追加コンテンツがあるのなら是非配信して欲しい…!