はじめに
当記事は「AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブ」のプレイ感想・紹介記事になります。
2019年に前作が発売されたこの作品ですが、先日前作の無印版「AI:ソムニウムファイル」をクリアしたので、続編もプレイさせていただきました。前作の記事を以下に載せておきますので、併せてご覧ください。
ゲームの内容に関して極力ネタバレは避けますが、紹介をするために内容に多少に触れている部分がありますので前情報なしでゲームをプレイしたい方はご注意ください。
総評
全てがひっくり返るシナリオ、改良されたシステム、全てが高レベルな作品
本作品は、6年前と現在で発生した事件に2人の刑事が巻き込まれていく作品です。
まず、前作で最も問題になっていたソムニウムパートですが、今作ではかなり改良されていると感じました。前作はトライ&エラーの死にゲーになっていた所が、今作ではしっかりとした謎解きゲーとして生まれ変わりました。詳しくは後述しますが、前作みたいにトライ&エラー方式でソムニウムパートを進めても絶対に1発クリアはできず、ちゃんと考えながら進めないといけないシステムに改良されています。ソムニウムパートの改良については非常に良かったかなと思いました。
シナリオ面については、前作同様に終盤に全てが繋がる形式のシナリオを取っており、非常に楽しめました。終盤になると、ある事実が判明して物語がまさにひっくり返るのですが、それを知ったとき筆者は「うわ~…わからなかった~…」となっていました。その後、作品を見返してみるとその事実が巧妙に隠されるようにシナリオが展開されていて、ライターさんに完全にしてやられた感じでした…。ただ、事件の真相については少し賛否が分かれる結末だったと思います。詳しくは言えませんが、真犯人は別の人であって欲しかった…。
システム面、シナリオ面を取っても非常にハイレベルな作品だったと思います。気になっているのなら是非購入をおススメしますが、前作を未プレイな場合は前作をプレイしてからの方がより楽しめると思います。
作品情報
「AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブ」はSpike Chunsoftより発売されたミステリーアドベンチャーゲームです。ジャンルは「アドベンチャーゲーム」です。
発売日は2022年6月23日(Steam版は2022年6月25日)で、対応ハードはNintendo Switch、 PlayStation 4、 Xbox One、 Windows10、Steam、 Xbox Series X/Sになります。筆者はNintendo Switch版を購入しました。
希望小売価格は6,800円 + 税となっております。プレイ時間は13時間ほどでクリアまで到達できました。
あらすじ
最初に【右側】が発見されたのは、今から6年前のことだった。
中心からまっぷたつに切り裂かれた死体……。
当時どれだけ捜索しても、もう片方が見つかることはなかった。それから6年後、行方がわからなかった【左側】が発見される。
時空を越えて現れた半分の死体……。
それはまったく腐敗しておらず、
まるでついさっきまで生きていたかのようだった。特殊捜査班ABISの新人捜査官であるみずきと龍木は
引用: 公式サイト
パートナーの眼球型AI――アイボゥやタマとともに
過去と現在、夢と現実を行き交いながら
この【ハーフボディ連続殺人事件】の真相を解き明かすべく捜査を始める。
AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブは、新人捜査官であるみずきと龍木の物語です。
6年前、とある場所で中心から真っ二つに切り裂かれた死体の右側が発見されました。当時、もう半身をどれだけ捜索しても見つけることはできませんでした。
それから6年後、どれだけ捜索しても見つからなかった左側の死体が発見されます。不思議な事に、その左側は6年の月日が経っているのに一切腐敗しておらず、まるで時空を超えてやってきたかのようです。
みずきと龍木は、6年前と現在、夢と現実を捜査しながら、この「ハーフボディ連続殺人事件」の真相に近づいていきます…。
前作をプレイした方が良いか?
本作品は前作「AI: ソムニウムファイル」の直接の続編になります。今作と前作の繋がりについて、ネタバレを伏せた範囲でお話ししたいと思います。
結論から言うと、可能であれば前作をプレイしてから本作をやった方が数倍楽しめると思います。
本作品と前作に置いて、事件においては直接のつながりはほぼありません。ですので、前作の内容を細かく知らなくても、今作は楽しむことができます。ゲームの最初に「前作のネタバレOK?」って選択肢を用意して前作のネタバレを伏せた状態でプレイできるかをわざわざ選ばせてくれる公式の配慮もあるほどです。
ただ、世界観や各キャラクターのバックグラウンドについては前作から引き継がれています。ですので、前作をプレイしていると用語がスッと入ってきたり、キャラクターの背景をより理解した上でプレイする事ができますので、可能な限り前作のプレイをおススメします。
良かった点
前作から大幅に改良されたソムニウムパート
本作品の目玉になっているソムニウムパートですが、前作では正直不評でした。その原因が、トライ&エラーで選択肢を選ぶことを繰り返す死にゲーになってしまっていたからです。
本作品ではその面は解消されており、逆にトライ&エラーで選択肢を選んでいるとほぼクリアする事ができないシステムになりました。というのも、ゼルダの伝説のような感じで、ソムニウム世界では謎解きを進めていくような流れになっているからです。
これにより、トライ&エラーせずに1発でクリアする事も全然可能になり、尚且つしっかりと謎解きに向き合わないと逆に1発クリアする事が難しくなりました。また、謎解きも対象者の心理状況に沿って構成されている物になっているので、ソムニウムパートにしっかりとした意味が付随されるようにもなっています。
前作から不評だったソムニウムパートは正統進化をしてくれたかなと思います。
前作のキャラクターが優遇され過ぎていない点
本作は前作の直接の続編となっているので、前作で登場したキャラクターもほぼ全員出てきます。こういった作品にありがちなのですが、過去キャラクターが強すぎて「新キャラいらなくね?」となってしまう点です。
もちろん前作に登場していてかつ今作主人公であるみずきやアイボゥについては例外ですが、その他の前作キャラクターについてはあくまでも本筋にはあまり関わらず、サブキャラクターとして登場してきます。
これのおかげで、本作ではあくまでも新キャラクターにスポットが当てられて話が進みます。新しい登場人物を活躍させつつ、過去のキャラクターにもちゃんと出番を与える丁度良いバランスだったと感じました。
気になった点
少し人によっては苦手な表現があるかも
本作品は殺人事件を題材にした事件なので、当然ある程度のグロテスク描写があります。これについてゲームの性質上しょうがないのですが、本作品はそれ以外にも監禁やいじめを題材にしたシーンや、サイケデリックな表現があったりします。
前作より対象年齢は下がっていますので、その辺りの描写はかなり抑えられてはいますが、それでもまだ苦手な人には苦手かもしれませんので、そういった方はご注意ください。
前作をプレイできた方であれば問題なくプレイできると思いますし、ビックリさせるホラー要素等は一切ありませんのでその辺りはご安心ください。
おわりに
以上が、AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブの紹介になります。
気になった方は、まずは前作をプレイしてから本作を手に取ってください…!