はじめに
当記事は無印版の「AI: ソムニウム ファイル」のプレイ感想・紹介記事になります。
こちらの作品は2019年に発売された作品であり、今更ながらつい先日クリアさせていただきました。もともと気になってはいたのですが、中々他のゲームで忙しい事もあり手が伸びずにいました。
ですが、2022年6月23日(switch版は25日)に、こちらの作品の続編である「AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」が発売されると聞き、これはやるしかないだろうという事で今回購入をした次第です。
ゲームの内容に関して極力ネタバレは避けますが、紹介をするために内容に多少に触れている部分がありますので前情報なしでゲームをプレイしたい方はご注意ください。
総評
全てが繋がる最高のシナリオ、もう一捻り欲しかったゲームシステム
本作品は殺人事件を扱うミステリーアドベンチャーです。
シナリオ面は、序盤から終盤まで非常に楽しむことができました。序盤に貼られた伏線が中盤以降で徐々に回収されることで話が繋がっていくのはプレイしてて楽しかったです。あまり多く語る事はできませんが、何より一番最後のエンディングが本当に最高の一言でした。本作品は展開は結構暗めのお話ですので、途中プレイするのがつらくなるかもしれませんが、最後までプレイすると「クリアして良かった…」と思えるゲームでした。
ただ、ゲームシステムはまだ改善の余地があると感じました。本作の一番の目玉である「ソムニウムシステム」ですが、これが推理関係なしの死にゲーになってしまっており、せっかくの面白い設定が活かしきれていないと感じました。あと、途中途中で「フリーズかな?」と勘違いするレベルで長いロードが多発してしまったのもマイナスです。これは次回作に期待したい所です。
また、本作品はグロテスク描写が原因でZ指定されています。こちらについてですが、登場キャラクターはある程度デフォルメされているので、ある程度グロテスク描写もマイルドになっています。恐らく、進撃の巨人やバイオハザードが大丈夫な人であればプレイしても問題ないとは思いますが、そういった描写が苦手な方はご注意ください。
作品情報

「AI: ソムニウム ファイル」はSpike Chunsoftより発売されたミステリーアドベンチャーゲームです。ジャンルは「アドベンチャーゲーム」です。
発売日は2019年10月21日で、対応ハードはNintendo Switch、 PlayStation 4、 Xbox One、 PlayStation 5、 Microsoft Windows、 Xbox Series X/Sになります。筆者はNintendo Switch版を購入しました。
希望小売価格は4000円 + 税となっております。プレイ時間は10時間ほどでクリアまで到達できました。
あらすじ
東京。
11月のとある金曜日の夜。降りしきる雨の中、
ひとりの女性の遺体が発見された。
場所は廃墟と化した遊園地のメリーゴーランド…。その遺体の顔には左目がなかった。
どうやら犯人にくり抜かれ、奪われたらしい。一報を聞きつけ事件現場に訪れた刑事、伊達。
彼は遺体の顔に見覚えがあった。
なぜ、彼女が――――これは、夢と現実を捜査し、
引用: 公式サイト
失った記憶と因縁の殺人犯を追う、
ある刑事と相棒の物語。
AI: ソムニウム ファイルは、記憶を失った刑事である主人公・「伊達 鍵」の物語です。
主人公である伊達は、とある事件の捜査のために遊園地に来ていました。そこにあるメリーゴーランドから左目をくり抜かれた遺体が見つかりました。伊達はその遺体に見覚えがあり、捜査を開始します。
そこから主人公は様々な人物と出会っていき、主人公の過去と事件の真相に迫っていきます…。
ゲームシステムについて
本作には、事件を捜査する「捜査パート」と、人の深層心理に潜り込んで記憶を調べる「ソムニウムパート」の大きく2つのシステムで成り立っています。捜査パートについては基本的なADVとほぼ同じですので、ここではソムニウムパートについてざっくり説明をしたいと思います。
ソムニウムパートについて
ソムニウムパートとは、対象者の夢の中に潜り込みその中で捜査を行うパートになります。夢というのは人間の深層心理にある情報で構成されているため、ここでは対象者が隠している情報を得ることができます。

ソムニウムパートでは対象者の夢に入り込んだ後、目的が表示されます。この目的を解決するためにソムニウム世界を調査する事になります。

ソムニウム世界では色々な物が置いてあり、それに対して何をするかの選択肢を選ぶことで調査が進行します。ここでは各選択肢に消費時間が設定されており、選択肢を選ぶたびに時間が消費されます。ソムニウムパートには6分の制限時間がありますので、この制限時間内に選択肢を選んで目的を解決する事がこのパートの主な目的です。
良かった点
とにかく個性豊かで愛着が出てくるキャラクター達

本作は事件を捜査していく過程で、色々な登場人物と出会っていきます。本作品の良かった点は、ほぼ全員のキャラが立っていて、最終的には全員に愛着が湧いてくるところです。
一例ですが、一見最初は「悪役なのかなぁ」みたいなキャラクターも、途中から超意外な設定が出てきて一気に愛着が湧いてきます。名前は伏せますが、筆者もこのキャラクターが大好きです。
ここで全キャラクターに愛着を沸かせることで、最後のエンディングにより感動をもたらしてくれます。是非プレイする際は、各キャラクターのバックグラウンドや性格に注目しながらプレイすると楽しめると思います。
ストーリー展開が面白く飽きることが無かった

本作は殺人事件を題材にしているゲームですので、グロテスクな描写があったり暗い描写がどうしても付き物です。ですが、間にギャグシーンが入ってくれるおかげで常に暗い展開一辺倒という訳ではありませんでした。
「事件が起きる→捜査する→ギャグシーン→また事件が…」みたいな流れになっていて、常に展開がテンポ良く切り替わりストーリーになっています。これのおかげで飽きることなく非常にプレイしやすかったです。
人によってはギャグシーンがぶっ飛びすぎていて受け入れられないという人もいるとは思いますが、筆者は爆笑しながらプレイしていましたので、筆者的には超ストライクでした。
気になった点
ソムニウムパートが問題だらけだった
本作の目玉システムになっている「ソムニウムパート」ですが、これが正直に言って面白くなかったです。
最大の問題としては、このシステムが時間消費を如何にして切り抜けるかの死にゲーになってしまっていることです。どれが正解の選択肢かはほぼ初見ではわかりませんので、ある程度トライ&エラーが必要です。ですが、終盤になってくると時間管理がかなりシビアになってきて、3,4回ミスるともうクリアが不可能になってしまうほどです。これが原因で、ソムニウムパートについては推理とかは関係なしの別ゲーになってしまっているのが非常に勿体ないと感じました。
逆に言えば、ソムニウムパートにちゃんと推理や謎解き等の要素を持たせることができれば一気に良いシステムになると思います。これは是非次回作に期待したい所です。
おわりに
以上がAI: ソムニウム ファイルの紹介記事になります。システム面には改良の余地があっても、ストーリーは本当に良かったので是非やってみて欲しい…!
何度も言いますが、最後のエンディングが本当に最高なのでそこまで諦めずにプレイして頂けることを願っています…!!!!